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JOYSOUND MAXの採点を試してみた

JOYSOUND MAXの導入が開始されてからいったいどれだけかかったことか…。今回JOYSOUND MAXでの採点を試す機会があったのでいろいろな曲で採点の状態を試していました。アップデートなどによって状態が異なるかもしれませんのでこの記事を書いている日付前後の話としてください。他の人の考察などは一切読まないで独自考察になっていますのでそのあたりも前提にして下さい。

 

JOYSOUND F1の採点と全然違う…

正直にこれが第一の感想でした。前回JOYSOUND F1で採点したのが記憶が正しければ数ヶ月前という状態なのでもしかするとアップデートで採点の方式がまた変わったのかもしれませんが…。この後でも考察しますがおそらくJOYSOUND MAXで採点した方が得点が高い曲とJOYSOUND F1で採点した方が高い曲とかそういう状態があると思います。さすがに差分を調べるのはかなり難しいですが簡単にわかるものも含めてこれから書いていきます。

ちなみに面倒なので以下でMAXと表記すればJOYSOUND MAXを、F1と表記すればJOYSOUND F1を指すものとしてください。

 

音階判定表示は基本的に二小節分が表示される

F1までだと中央にバーがあってどんな曲でも一定速度でスライドしていったのですがMAXでは「基本的に」二小節分を表示して更新していく感じになったようです。音階一致判定もこの二小節単位でどのくらいだったかを画面左上に表示してくれるので個人的にはスライドより見やすいことからこれに関してはMAXが有利…かと思いきや、曲によってはこれが不利になることもあります。その例として

  • 音の先頭が小節の先頭位置と一致しているため発声すべき音階がその直前まで画面上に表示されない(画面外には表示されている)
  • 曲の内部データによって「二小節」の意味が異なるため曲によってひどく切り替わりが多い曲が存在する

があります。特にこの後者が非常にやっかいです。内部的に「二小節」なので3/4拍子の曲は4/4拍子の曲より移動速度が速くなりますし、体感的にはBPMが似たような曲でも楽譜に起こしたときに半分と見なしている(たとえば180BPMに感じる曲でも内部の楽譜データでは90BPMの曲としている場合がある)ことがあり、この場合体感として四小節表示されているのと同じ状態となります。曲のBPMが変化している場合でも体感的に速くなっているからと言って内部データも速くなるとは限らないのが難しいところです。(実際、遅くなった曲がありました)これがこの後採点で微妙な混乱を起こします。

 

曲の加点要素が一つ増えている

F1まではしゃくりとビブラートだけでしたがMAXではそれにこぶしが追加されたようです。DAM系ではそれにフォールが加わるのですがそれは置いておいて。これのおかげでF1より加点されやすくなっていると考えられます。実際、私が歌った中でも音階評価と安定度評価を除いて上限に張り付いた、という曲がありましたのでこれは入れるのではないか、と思います。加点要素の判定基準は不明ですが…。

 

ロングトーンの判定が変わった様子

というか、どうも音階表示される部分が二小節と決められていることで元々一小節を超えるような判定となっていた音符についてその場合は2拍くらいでカットする、という条件が追加されているようです。それ以外にも表示的には音階表示されていない場所は判定対象に入らないように見えるようになっています。加点要素については範囲外でも判定されたような表示がされていましたが…。

で、これのおかげで何が良くなったか?というと電波ソングなどで妙なラップがある曲、台詞が入っている曲で無理矢理音階判定が入っている場合があったのですがその範囲が大幅に狭くなったわけです。F1まではその変な音階を台詞などを無視して「あ~」と言わないと減点対象となるようですがMAXではその心配がだいぶ減りました。というわけでその手の曲で低い得点となることがだいぶ避けられるようになります。

 

内部データ的に低速の曲の方が得点が出しやすい?

これが今回一番確定できなかった部分です。というのも、逆に今回テストした曲だと内部データが高速な曲で得点が低く出ているケースが多々あったことや、画面表示ではカラオケで歌う場合の判定遅延(通常カラオケでは「曲を聴く」=>「リズムに合わせて声を出す(微妙に遅れる)」=>「マイクで音をとる」=>「音階判定の演算を行う(微妙に遅れる)」というシーケンスのため音階の開始タイミングと発声を処理するタイミングが微妙にずれるのが普通であり、それをカバーする必要があることが多い)が行われていないような感じで高速曲の場合音の出だしで音が出ていないと判断されていた様子がうかがえたからです。これが正しいとするとちょっと難しいことになるのですが、画面表示を無視して歌った場合でそれなりの得点を出しているパターンもあったことから今現在は保留の状態です。

ちなみにあくまで「内部データ的に低速の曲」です。これが実は「基本的に二小節単位」にかかっていて、自分が感じているBPMではなく曲データ上のBPMに依存します。今回歌った中で一番その差がひどかった曲が<Asphodelus>という曲です。とある場所では名曲といわれていますが…(私もかなりいい曲だと思っています)。この曲ですが私の感覚では6/8拍子160BPM(つまりカラオケ表示で3/4拍子換算だと80BPM)だと思っているのですがJOYSOUNDの内部データ的には3/4拍子160BPMという扱いらしく、カラオケ表示では4/4拍子の曲換算で213(=160/3×4)BPMという超高速曲扱いになる大変な曲と化しています。こうなると音階表示を見ながらだとかなりきついです。

もう一つ比較としては<Hφwling Sφul><HE∀ting Sφul>があります。この二曲は曲が似通っている(元々のゲームとしても)ので今回例として出します。前者が通常の体感なら4/4拍子180BPM、後者が4/4拍子182BPMのはずなのですが、内部データ上では後者はそのままですが前者が4/4拍子90BPMの扱いらしく、前者が低速曲扱いになります。こちらは音階表示をみながらだと歌いやすくなっているので両方の曲を知っている場合はチェックしてみると面白いかもしれません。

 

採点後に音域表示がされるようになった

これはありがたい要素です。いままでDAM系列でしか音域がわからなかったのですがJOYSOUND系でもわかるようになったのでいろいろと確認していっています。ただし歌った自分の音域は音名まで書いてあるのでわかるのですが曲側の音域が鍵盤への色づけだけで音名が表示されていないので自分の音域と曲側の音域がずれているときに確認が難しいこと気になるところでしょうか。

ちなみにこのときに(おそらく同一歌手の曲で)音域が似ている曲を表示するという機能があるのですが、文字が小さすぎるために意義がほとんど感じられません。メモをとるための時間もほぼないですしね。

 

電波ソング系の採点はJOYSOUND MAXが有利なのは確定ですが、それ以外は難しい

今回危うく90点に達する曲が一つもないまま店を後にする、という事態が起こりかねなかったのですがそれはなんとか回避しました。また、電波ソング系の得点が良くなったことでデータ全体の標準偏差を計算してみたところ今までの記録で2番目に低い値を出しました。つまりばらけ方がだいぶ下がった訳ですね。それがいいのか悪いのか…。

 

音階の足し算とかけ算? 数学遊び 音階と整数の剰余環

技術ネタ(スマホネタ)が続いたので小休止として数学の遊びを入れたいと思います。音楽とちょっとからめたネタです。音楽と数学だとよくあるのは純正律や平均律など音の周波数の話がよく出てきますが今回は音階そのものが主役です。一応小学生~大学生まで幅広くいけるような数学の話になっています。記事が進むにつれて理論を説明するためにレベルが上がっていきますのでご注意を。中間はただの考え方です。最後にクイズを応用した遊び問題を入れていますのでこれが答えられると面白いと思います。

 

はじめはちょっとしたクイズから

というわけで計算規則を見つけるタイプのクイズです。

以下のような計算規則が成り立っているとする。

  • レ + ファ = ソ
  • ファ + ソ = ド
  • ラ – ファ = ミ

このとき、「レ + ミ + ファ」は何になるでしょうか?

ちなみに題名で「音階」と言ってしまっているのでこれが音階であることは意識できると思いますがクイズとして出す場合はヒントか何かで出した方がよいと思います。今回の場合は式を3つ出すことで音階が絡んでいることを意識させています。(実は解答するには一つの式だけでOK)また、音階であれば成り立つのでドレミ(イタリア式表記)でなくても、日本式表記(イロハニホヘト)や英・米式表記(ABCDEFG)にしても意味は全く同じです。日本式表記にすると…

以下のような計算規則が成り立っているとする。

  • ニ + ヘ = ト
  • ヘ + ト = ハ
  • イ – ヘ = ホ

このとき、「ニ + ホ + ヘ」は何になるでしょうか?

…うん、なじみがなければさっぱり訳がわからない問題のできあがりですね。まさにクイズにふさわしいです。

 

解答と解説は?

こんな感じです。

解答:シ (日本式表記の場合はロ)

[解説]

音階に関する足し算や引き算であることがわかればどの音階が基準になっているかを考えることで出せる。なお、音階であることがつかめないとき解答の「シ」は問題文中に一つも現れていないものなので数学だけで考えたときには答えを出せないことに注意する。考え方としては適当に基準音を決めてそこからどれだけ離れているかを数字にして合っているかどうかを調べていってもよい(小学生向け)が、基準音を仮定してそこからの音階差を考えてみる。たとえば「ラ」が基準だと仮定して12音階で考えると

ラ = x、シ = x+2、ド = x+3、レ = x+5、ミ = x+7、ファ = x+8、ソ = x+10

なので、レ + ファ = ソ を考えると (x+5) + (x+8) = (x+10) より x=-3となる。(なお、この解答を求めるためには計算しなくてもよいがこの計算における基準音はドが(-3 + 3) = 0となることためドで確定する。(他の式でも試してみるとよい))

最後にレ + ミ + ファを考えると (x+5) + (x+7) + (x+8) = 3x+20 = x + (2x+20) = x+14 = (x+2) + 12 となり、音階なので音階名だけならループすることを考えると答えはシとなる。なお、基準音をドとして計算するのであればレ + ミ + ファ = 2 + 4 + 5 = 11となるためシとなり答えは一致する。

ちょっとループに関してわかりづらい面がありますが音楽理論なんかで音階がループすることを円に12個の音階を書いて表記する、といったことがよくとられているのでそちらを見て考えてもよいと思います。

 

で、これが数学と何の関係があるのか?

オクターブが違う音を別の音として表記する方法もありますが、今回はオクターブ違いの音に関しては同じと見なすと、1オクターブを12個の音階に分割して…という話は聞いたことがあると思います。数学的にはオクターブの部分を別に分けると音階は12進法で表されているという考え方ができるわけです。時計における時間の考え方と同じですね。音楽理論でもよく出てくる図だと思います。今回はそれをちょっと使った問題…のように思えるかもしれませんがここから大学の数学を絡めていきます。

 

Z/12Zと音階で同型写像を考えることができる

題名にZ/12Zと書きましたが、正確にはと書きます。これは何か?というと整数環に対してその単項イデアルの剰余環を考えたもので中学生にもわかるように書くなら「整数を12で割ったあまりを考えたもの」というところです。以降この記事ではZ/12Zと表記します。

で、上記の問題での演算はいったん音階差に直して…とやっていますが、環論で考えるとこれは音階をドを基準とするようにこの剰余環との同型写像fc-1(cは英・米式表記でのドの意味)を考えて剰余環上で演算を行い逆写像fcを考える、という作業を行っていると考えることができるわけです。もちろん、これは同型写像なので準同形写像となり加法および乗法はばらして行うことができることを使っています。ちなみにこの同型写像ですが、各基準音によってそれぞれ異なる写像となります。実はこれがこの後の音楽理論と数学との橋渡しとなる話になります。

音階をZ/12Zと同一視することの利点は音階の移動に関して正負の考えに整合性が生まれるからです。音階上では1音下げることは11音あげることは異なりますがオクターブ違いを除くと同じと見なせます。これがZ/12Zではとなる、ということに変換できるからで、数学ができるなら円を描いて12音階を並べるよりわかる人が居るのでは?と思う位の考えやすさになると思っています。

 

和音におけるトニック・ドミナント・サブドミナントなどはZ/12Z上での集合と同一視できる

音の転回を無視して考える場合、という条件付きですけれどもね。たとえばCMajorスケールにおけるトニック(I)はC、E、Gですが、これをfcで引き戻し(fc-1で写像をとり)Z/12Zの要素と考えると{0,4,7}という集合に変わります。この後にFMajorスケールにおけるトニックは?というと写像ffを考えてトニックの要素の集合を各要素ごとに飛ばすとF、A、Cになり、対応していることが確認できます。同様にドミナント(V7)だと{7,11,14,17} = {7,11,2,5} = {2,5,7,11}、サブドミナント(IV)だと{5,9,12} = {5,9,0} = {0,5,9}が対応します。あとは基準音の写像を考えれば和音構成をいろいろと考えることができる、という理屈となります。

 

移調に関してはZ/12Zが二つ関わってくる

移調を考える場合は音階に関するZ/12Zの対応と調の前後関係に関するZ/12Zの対応が関わってきます。調の前後関係だと…-F-C-G-…という感じでハ長調から一つ上の調に移調するとト長調になる、という関係で行います。たとえばハ長調から5つ下の調は変ニ長調ですが、ハ長調から7つ上の調は嬰ハ長調となります。これを異名同音調と呼ぶようですが、これもZ/12Zでの演算を考えるとですのでちょうど対応しているということがわかります。調の移動についても調の同型写像を考えて移動したい数だけZ/12Z上で演算を行い逆写像を考えるとOKなのでここでも同じような考えが出てきますね。

 

音の転回と組み合わせると自動作曲が考えられる?

音階とZ/12Zの同型写像を考えるとオクターブ違いの音を同一視することになるので音の転回を考えることができない、というのが弱点です。理論を考える上では音の転回も組み合わせないと和音における基準音の話がおかしくなってしまうが残念です。あとはこれらの理論を組み合わせていけば曲中での移調に関しても音階による写像と曲調による写像をうまく考えることで可能といったことや和音の理論を数学上で考えて反映させることで作曲につながるのではないか?と個人的には思っています。というかボーカル曲をピアノでちょっとだけ引こうと思えば左手で和音、右手で主旋律をやればそれっぽく聞こえるのですがそのときに見える法則からこれがうまくいきそうな気がしています。

 

最後にZ/12Zが環であることを使った問題

音階の場合は加算や減算は音の移動に関わってくるので意味があるのですが乗算は何を意味しているのかさっぱりわからないですね。それをクイズにしてみます。なお、Z/12Zは環であり体ではない(12が素数ではないため12Zが素イデアルではなく、よって極大イデアルでもないため)ので除算は12に対して互いに素となる数にしか適応できないためちょっと問題に制限が出ます。また、音階をうまく選ばないと#とかbとかの記号が出てきてクイズの大ヒントになってしまうのでそれをいかに避けるか?も要点となります。

以下のような計算規則が成り立っているとする。

  • ド × ソ = ミ
  • ラ × ラ = ファ
  • レ × シ = レ

このとき、「レ × ミ × ファ」は何になるでしょうか?

…問題を作るのに苦労をしました。というのも「本当に解答が一つしかないのか?」を確認するためにとある資料を作成しないと訳がわからなくなってしまったからです。そのため、答えを求める手順が正しければ解答は一つです。複数の解答が出てくる、ということはありません。ちなみに和でやったような基準音を仮定して、という方法をとろうとすると今回の場合は乗算であることとZ/12Zが体ではなく乗算においては零因子を持つためそう簡単な話ではなくなりますので注意してください。ちなみに解答がわかった人に追加で問題を出すなら「この3つの式で答えを出すときに不要な式はありますか?あるならどれになりますか?」がありますね。

答えに関してはコメント欄に「答えの記事希望」など書いていただければ記事化を考えます。コメント欄自体に返すorこの記事に追記するかもしれませんが…。

 

という音階と数学の話

でした。純正律と平均律の話は笛を作るとかするときに使うので小学生~中学生にちょっと原理を説明して工作にすると興味を持ってもらえると思いますが今回の話はそういうものではないので12進数の話の時にちょっとできればいいかな~程度の問題となってしまうのがなんともいえないですね。あと和音と数学を結びつける考え方ではあると思っていますがどうなのでしょうか。

 

算数と数学における乗算・加算の交換法則問題について一言

しかし、この話ってなぜか定期的に問題になりますよね~と思うところであります。今回もとある有名な人のblog記事で学校の算数においての交換法則で×にされることについてかなりひどく言っていたので数学側の関連と絡めて考察してみたいと思います。先に数学側から考察するので算数側は後から出てきます。

 

数学における乗算・加算の交換法則について

いろいろな記事を読んでいるとどうも数学において乗算(と呼ばれる演算)や加算(と呼ばれる演算)は常に交換法則が成り立つ、と勘違いしている人がかなり多いようですが、まずこれから修正します。この認識は誤りです。つまり、数学において乗算(と呼ばれる演算)や加算(と呼ばれる演算)で常に交換法則が成り立つ訳ではありません。これはまあ仕方のないことで、高校生までで学習する数学において乗算や加算は交換法則が成り立つ範囲までしか学習しないというのがほとんどですからね…。

典型的な例としては数Cで学習する行列の演算です。行列の演算において加算はまだ交換法則が成り立ちますが乗算においては交換法則が成り立たないどころか対象の行列によっては演算対象を入れ替えると演算そのものが定義できない、といった現象に陥ります。詳しく説明するのは面倒なので行列については調べてみるといいと思います。行列が普通の数でないから意味がない、と言い張る人であれば四元数における乗算が例となります。複素数までであれば乗算で交換法則が成り立つのですが…。

さらに言うなら大学レベルまで行けば「演算」について一般化を行ったものとして代数学という数学の一分野で群(group)を学びますが、この群において交換法則(可換性)は定義に入っていません。可換性が成り立つ群としては別に「アーベル群」という名称があるくらいで実はかなり特殊な状態だということも学びます。また、乗算と加算が両方定義されているものとしては代数学では環(ring)を学びますが、こちらの定義では加算は交換法則が定義として入っていますが乗算では交換法則は定義として入っていません。同じように乗算において交換法則が成り立つ環は別に「可換環」と呼び、こちらも追加されている性質について学びます。

というのが数学における乗算・加算の交換法則についての正しい理解(のごく一部)となります。(ちなみに四則演算が正しくできるものを体(field)と呼びますが、乗算が可換でないものもあります)

そういえばどうでもいいことのようでどうでもよくないことですが、この「交換法則」という形で正式に学習するのはどうも中学校一年生における「正負の数」のようで、ここで初めて文字で一般の数(この場合は有理数)における交換法則を表すようです。ということはそれまではあくまで算数で言うならば「考えている数ではかける数とかけられる数を交換しても結果は変わらない」という説明になるのでしょうかね。そうしないと数学を突き詰めていく段階で交換法則が成り立たない(可換ではない)演算が出てきたときに受け付けないという現象が現れるでしょうからね。

 

算数の活動と数学を混ぜると危険

気をつける必要があるのは「算数と数学は別の教科である」だと思います。これを思い込むと交換法則(可換)について「どこで現れたときに間違いとされるのか」についてとんでもない間違いをして逆に子ども達の学習の妨げとなることになりかねないからです。

算数の活動において大切なのは次の3つのプロセスで

  1. 国語で表された文章などから事象を読み取り数式など数学的な表現に変換でき、どう変換したか説明できること
  2. 数式など数学的に表現された事象を正しく処理(計算)できること
  3. 処理された(計算した)結果を正しく言葉(国語)として表現できること

になります。算数の場合、この1.と3.のプロセスがかなり重要だと思います。それは「その事象を理解できたのか、理解できたとしてどう理解したのか」ができないと国語との連携が正しく行えていない、すなわち人として社会などで活動できないということになりかねないからだとと思います。この辺は確証がありませんので推察の語尾とさせてください。ちなみに番号を見ればわかりますが数学としての考え方を行っているのは2.の部分だけです。

ここで大切なのは1.の変換時(つまり数式を立てるなどを行うとき)には数式と国語で正しい対応があるかつ他の児童が数式を見たときに同じ事象を想像できること、ということが必要になります。これができないと交換法則云々の前にコミュニケーションがとれないということになりかねないのではないでしょうか。このことを私がとある方面から学ぶ前に書いた記事にも少しありますが単位をつけずにかけ算の意味を読み取ろうとすると順序に意味があるよね~ということを考えたことがありますがまさにこれだと思います。あとたしかこれは言語によっても順序の意味は異なり、言語として現れる意味の順番の関係で日本語と英語でもかけ算の順序が異なるという話を聞いたことがありますが…。数式に毎回単位をつけると逆に訳がわからなくなりますので国語と連動している状況下においては意味を問うものとしては仕方がないのではないでしょうか。

 

もちろん、これは「はじめに国語の意味において式を立てる場合のみ」に適応されるものでその後で交換法則で計算することは許容されなければならないでしょう。たとえば

Q. あめが10こありました。あめ1こあたりのおもさは6グラムです。ぜんぶのおもさはなんグラムでしょうか?

A1. 10×6=60 ぜんぶで60gです

A2. 6×10=10×6=60  ぜんぶで60gです

という問いと2つの回答がある場合前者は「10×6の意味が正しく読み取れないため式は×、答えは○」となるでしょうし、後者は「式は○、計算はかけ算の入れ替えはできるので○、答えも○」となるべきでしょう。授業中であれば「10×6はどんな意味ですか?」と聞いて意味が理解できていればまだましですが、単に「出てきた順番でかけ算を書いた」だとこの誤りを正さないとかけ算と足し算が複合した式や割り算で困ることは間違いないとおもいます。後者が×とされるとさすがに凝り固まりすぎでは?といいたくなりますが。(ちなみに小学校の先生に「こういうときにどうするか」という質問をしたことがありますが、その場合も「式を立てるときに逆にすると×にする。式を立てた後であれば○にする」と言っていました)

 

まあ、×をつけるにしても理由は説明できてほしい

ただ、テストの場合は式を逆に書いたときに「はじめの式は正しく頭の中で立てたが計算の式では交換させてその式が一番はじめに来た」という理由だったのか「出てきた順番で数を書いてかけ算をやった」なのかなどを判断できるように作るのは非常に難しいと思います。その場合間違えに対して長々と理由を書くとその方が児童がいやがるだろうし、○と×が変に混じると何が間違いで何が正しいのか児童に説明するのが逆に難しくなる、というのはありそうな気もするのが難しいところですね。もちろん児童が聞きに来たときにや保護者に対して連絡のような形で書いて説明するときなどではちゃんと理由を説明できないと問題がありますか。

 

しかしまあ、先頭でも書きましたが定期的にこの話題が出ますよね。なぜなのでしょうかね。

数学は「考え方を学ぶ」ものではないかな~と考える

はてなダイアリーを使っていることからわかると思いますが基本的にはてなのトップページに来ている内容についてはいろいろとみています。で、その中でちょっと考えされる記事があったので二つほどあげて私の考えも書いておきたいと思います。

 

数学を勉強できなくなったので休学をすることに決めた – Diary over Finite Fields

「数学は役に立つ/立たない」について思うこと  – Imaginary & Imaginative

 

ちなみに下に書いている内容は上記2つの記事とはあまり関係がないかもしれませんのであしからず。

 

「面白い」と思う人と「訳がわからない」と思う人がはっきり出てしまう(と思う)

ちなみに私は一応工学側の人間(のつもり)なので数学とは少し遠い場所にいた・・・つもりなのですが。いろいろと勉強しまして純粋数学に関しても応用数学に関してもそれなりの知識を得た人間です。上の記事を書いているお二人は両人とも数学の修士課程のようですが、資金と暇があれば数学で修士をとりたいな~とは考えたことがあります。まあ、それは置いておいて。

個人的には数学はほかの学問に比べて妙に体系ががっちりとしていてある一部分だけを知りたい、と思ってもその基礎となる部分を掘り下げて理解しないと意味がほとんどとれないという性質が大きいと考えています。

例として一つあげますと、元々私が工学でやっていたのは情報系で特に暗号系に関して興味があったのでその部分に関する数学を勉強していたのですがはっきり言って訳がわからなかったです。RSA暗号もその一つでRSA暗号自体は基本情報技術者試験あたりにでも出てきそうなくらい一般的な暗号方式でプログラムとして実装する分にも計算方法は公開されているので多倍長整数が使えればそれほど難しいことはないです。・・・が、その根拠となっている理由を数学的に理解しようとするといったいどこまで基礎にたどればよいのかその時点では全くわからない状態でした。そのため情報工学としてRSA暗号を理解したときには「こういう方法を使えばうまくいくよ」程度の意味しかなかったです。

これがとある理由から代数学を基礎からやり直すことで群・環・体の定義からその定義より得られる各種定理、暗号系の基礎となる剰余環の話や中国剰余定理、オイラーの定理、体の拡張などに関して学ぶことで初めてなぜRSA暗号が成立していたのか、という話を理解することができました。これに関しても結局は代数学という数学の分野のある意味基礎となっているところからやっていたので理解するのは大変ですが理解できてしまえばかなり面白いな~というのは感じています。

ここで重要になるのは「そういう基礎の部分から学んでいく中でそれぞれの定理がどのような働きをしているかを見ることで自分の中で意味をつけていく」ことができるかどうか、またその行為に面白さを感じるかどうかが数学という分野における学習のモチベーションの一つになるのでは?というのが私の意見です。これは私は数学の分野のうち代数学、それも整数論を得意としておりその理由が「応用することで情報工学の分野につながっていることを知っており、それを自身のプログラムに今後生かせることがわかっているから」だったから面白いと考えて取り組めたのであり、単に代数学をなんとなくで学んでいると途中から体系の意味がとれなくなって・・・ということがありうる、ということでもあります。まあ、数学上の問題を計算機のプログラムとして表現して調べるということも好きなのも関係しているでしょうがね。

 

体系づけられているだけに「わからない」が拡大していってしまう

算数や数学で苦手意識を持つのはこのことが多いのでは?と思います。たとえば中学校だと正の数負の数は図形関係を除いてはその後でこれができないと全くといっていいほど理解ができなくなります。無理矢理負の数が出て来ないようにできるか?といわれるとおそらく不可能だと思います。で、わからないと問題が解けなくなる。解けなくなるとやる気を失ってしまうし先生からはしかられる。親からもテストの点数で怒られる。なんてことが連続していくといやになりますよね~。そうなれば「わかりません」の回答だけしかないですね。

もちろん、大学レベルでも同じだと思います。特に研究なんかで「自分が何を理解できていないか」を理解していないと進めないのはどの研究でも同じですが、数学としてそれがどのレベルの基礎なのかを考えられないとかなり厳しいと思います。

 

数学は学校教育として考えるなら「考えるための勉強」なんだろうな~と思う

数学は今現在自分が知っていることから拡張を自分自身で考えることができることができるのも特徴だと聞いたことがあります。たとえば1次方程式を学習した中学生なら「なら文字が増えたらどうなるのか?、1次じゃなくなったらどうなるのか」を(解けなかったとしても)考えることはできますし、2次方程式の解の公式を学習した後ならば「それ以上の次数になったときに解の公式はあるのだろうか」ということを興味がある人なら少しは考えることがあるものだと思います。これは数学に興味を持っている人が考えることかもしれませんがもちろん普通の問題でも「どうすれば自分が知っている(あるいは簡単な)計算方法に持って行くことができるだろうか」ということを考えて解くことは多いと思います。これらは暗記系ではあまりない発想だと思います。教えるときでも間違っていてもいいから一度問題をやってみて先生がやり方について解説する、なんてパターンはよくある話ですし、こういうところがその性質をよく持っているのでは、と思いました。

 

そういえば誰かから聞いたことがありますが一言だけ名言を。

大学の学問では理科は数学となり数学は哲学となる

特に純粋数学を突き詰めていくといつの間にか哲学の領域に突っ込んでいくんですよね・・・。有名なのが「(自然数において)なぜ1+1=2なのか」ですか。これもペアノの公理が成立しているなら・・・、とかいう話になってきますからね。ちなみにペアノの公理が成立していない環境ならば1+1=2とはなりません。これは私の過去記事でも書きましたので興味がある方は一度見てみるといいかもしれません。

まあいろいろと考えることがあるとは思います。上で紹介した記事の方で前者の方は一度休学するようですので(私などが言うのもおこがましいことかもしれませんが)休学の期間でいろいろなことを見てくるとよいと思いますのでどうするにしても頑張ってほしいと思います。

 

やってみたい数学ネタ「壬申の乱は何年に起こった?」

題名が矛盾しているようですが、実はこれ、数学である程度求めることができるのが笑えるんですよね・・・。中学校あたりの授業で誰かやってくれないかな・・・とか思っています。誰か指導案でも作ってその授業が録画されているのであれば是非見させてください。まあ、確率と期待値の話で宝くじを使ったものを学習指導案で書く方がまだ現実的かな~とは思いますが。

 

このネタは今年(2016年)が申年だからこそできる

実はこれがキーワード。干支を聞いたときに「サル年」とは答えられるのですが、この「申」という漢字が出てこないのが痛いところ。これを絡ませることができれば大変面白い話ができそうなのに・・・というのがはじめです。一応この話は60進法の話として使ってその後にn進法(2進法や12進法が身近にある)でつないでいけばおそらくきれいに授業が構築できるのでは、と考えています。

 

初期の話題設定

おそらく社会の時間で年号まで含めてやっているような気はしますがそれでも改めて聞かれると答えづらいと思います。最初のお題はこんな感じ。

壬申の乱は何年に起こったでしょうか。次の4のうちから答えなさい。

  1. 657年
  2. 673年
  3. 679年
  4. 682年

・・・わかる人はわかると思いますが、実はこの中には回答はありません。正しい回答は「672年」です。中学生の授業で出せば誰かこれを指摘するのではないかと思います。で、ここから「なぜこの中に回答がないといえるのかを数学で考えてみよう」と持って行くわけですね。

 

「壬申の乱」が起こったときの干支も「申年」だ、が分かれば答えが出せる

はじめの段階ではこの「壬申」が十干十二支で表された年号という話はわからないだろう、ということで流れとして、

  1. Q. 今年は何年? A.2016年
  2. Q. 今年の干支は? A.さる
  3. Q. 干支での「さる」は漢字でどう書く? A.「申」
  4. Q. 「壬申」と「申年」につながりがありそうでは? A.ありそう
  5. Q.もしかして「壬申」は申年の出来事では? A.そうか!

という感じで壬申の乱が申年だ、ということを考えさせて、そうするともし申年ならば干支は12年周期(ここに12進法に近い考え方が表れる)だから、2016-(壬申の乱が起こった年)は12の倍数になる、しかしはじめの問題の選択肢だとすべて当てはまらない(そもそも選択肢1~3は奇数なのであり得ない、選択肢4は2016-682=1334となり3の倍数ではないため12の倍数ではない)、よって数学的に選択肢の中に答えがない、という結論が得られるわけですね。

 

後は十干十二支の話から「壬申の乱が何年だったかを考える」へともっていく

ちなみに2016年は「丙申」なので、24年前の1992年が一つ前の「壬申」になります。あとは60進法の考え方から壬申の乱は1992年から60の倍数だけ戻した年にあるので選択肢から見てだいたい650~680年だとするなら、その中にある「壬申」は?となって672年を出す、ということができます。まあ、基準となる年をいくつか知っていればこの手の問題はやりやすいですね。十干十二支で考えたときに西暦だと60の倍数になるのは「庚申」だ、とかですか。(ここを知っているだけで壬申の乱の年は西暦では12の倍数になることが確定してしまう)ちなみに、日本史や中国史の中でこの手の年号で表される事件というのはすべてこのやり方で求めることが可能です。60年周期なので60年単位でしか間違えませんし。それで間違えたらもうどうしようありません・・・。また、十二支は記憶しやすいですが十干が記憶しづらいのがなんともいえませんが。最後に還暦の言葉の由来が干支で年号を考えたときに一周することから来ている、というところまで来れば国語との関連もばっちり、というところですか。

 

実は12進法でも楽しめる

12進法は学校の身近にあるものでできるのが楽ですよね。上記での干支が有力な例ですし、時計を使うのも手ですし、音楽の音階を使うのも手です。普通にダースで数えるやり方を使ってもいいですからね。私は音楽の音階を使ったものが面白そうと考えているのですが、実際にどうなるか想定してみないとよく分からないところですか。というところで、今回の数学ネタでした。どちらかというと教材に近いかもしれないですね。