ADVゲームで「やってみたい」と思うゲームを考える

結局は宣伝と自分の趣味に合うか合わないか次第なのでしょうが、何となくこんな話題です。

 

一応ゲーム開発系の中でも私の本当の専門はADVゲーム開発です。が、ADVゲームでプログラマがやることは実はほとんど無く、一度大きなシステムが組み上がってしまえばどのプラットフォームだろうが対象のシステムを使って数年間は持たせることができるのであとはそのシステムを使ってどこまで契約と宣伝ができるかどうかにかかっています。

しかしそれだけでは絶対に食べていけるだけの契約にはならないのでADVゲーム上でプログラマの権限を持つ人間が担当することに「スクリプタ」という仕事があります。プログラマとしての能力がある程度必要とされているように伝わっていますが、実はそうでもない、ということがこのタイトルに絡んでいます。

 

スクリプタの「本当の仕事」とは?

はい、これです。ゲーム開発(特にADVゲーム系)で必要とされる職種であり、基本的に時給や対象のシナリオのデータ量に応じた給料が支払われる職種です。そのため、これに特化したからと言って生活できるわけではありませんが、大学生などのアルバイトとしてはもってこいの仕事です。

しかしながら、このスクリプタですが、前のセクションにも書きましたが、プログラマとしての能力はさほど必要ではありません。プログラムを直接書くわけではないですし、処理する文法も各ADVシステムごとに異なった、しかも簡易的になったコマンド構文を並べることで処理を行うため設定画面やメニュー画面など画面遷移を必要とする場所(システムスクリプタ)の場合は確かにある程度必要になりますが、シナリオ部(シナリオスクリプタ、場合によっては演出)であれば全く別の能力が必要になります。

それは「シナリオを見て対象のシーンを想像できるか」というものです。絵の心得がある人ならば「ライトノベルのある一部分の前後の文章を読んでその場面を描いてくれ」というものと同じです。これはどちらかというとアニメーター(作画担当)と同じことをやることになります。この能力はプログラム能力というよりは国語能力、しかも読解能力がとても問われるのですね。笑い声のテキストがあったからと言ってうれしくて笑っているのか、引きつった笑いなのか、実はそのキャラクタは無表情キャラで表情を動かさずに言っているだけなのか。これを文章(+声)だけから想像してそれをゲームとして画面に構築するという作業になります。括弧書きしてあるとおり、声優もこの能力が必須になるのは言うまでも無いですね。

 

スクリプトを組みながら文章を読むとおもしろいかどうかが見えてくる

ここがライトノベルなどの小説とADVゲームの違いでしょうね。ADVゲームのシナリオは小説とは違い画面上にキャラクタが登場して会話することによって場面を限定させながら想像させる、というところにあるので自身が第一者としてシナリオに没頭できるようになっていないとおもしろくないわけです。文章だけの場合は主人公視線で書かれている場合でもそれは第一者というには微妙なところだと私は考えています。

そのため、スクリプトを組むことで画面上に描き出された掛け合いを見ることで本当の面白さが見えてくる、というのが分かると思います。これだけはADVゲーム内でそれぞれを担当している人にはないある種の特権のようなものだと思います。その代わり、スクリプタ自身が思い描いた情景をプレーヤーに押しつけることにもなる(シナリオライターが思い描いた場面にスクリプタが味付けをする形なので)のでこれが下手だととんでもない場面が生成されることになってしまいます。さすがに演出確認の段階でそれははじかれることになると思いますが。このあたりはスクリプタの能力と経験(作成経験もさることながら演出を見ている数)がものを言いますね。

 

体験版をやっておいて損はない

Webページで紹介を見るだけではおそらく対象のゲームの雰囲気はつかめないのでは?と思います。実際、スクリプタ視点でゲームを見ていると生のシナリオを半分小説として読んだ時とは全く違った印象を受けます。そしてWebページに書いてあるのは「宣伝したいゲームの要素」なのでこれもユーザーがやってみたいこととはずれることが多いというのはとても感じています。

それを補うためと宣伝のためにあるのが体験版という訳ですが、ゲームの一部分を抜き取って作られているものなので製作コスト自体はかなりの割合でゲーム本体で回収されますので気軽にやってみてください。そして自分に合うものはレッツ購入!、といっておかないと自分の生活もやばい・・・

ちなみにこの記事を書いた元々は「体験版を見ているとやりたいゲームとやりたくないゲームが妙に分かれるな・・・」と言うところからきています。

 

結局「やってみたい」というゲームは「宣伝要素でユーザーに気に入ってもらえるか」

まあ現実はそうですよね。一応「ユーザーがやってみたいと思える」ゲームはある程度売れるので以降「売れる」で表現しますが、原画で売るかシナリオで売るか。システムで売れるのは元からそういうブランドだと認識されていて結構強力なプログラマがいる場合に限られますし、声優やBGMが良くてもそうなならないですし。そうなると体験版は意外と重要なファクターになるのでここをちゃんと作り込んでいく必要があるのでは、と思います。なお、「やってみたい」と思わせる要素を誤認させると後が大変です。はい。

 

小説やADVゲームの書き方に関して考察した文章を持っているが・・・

実は昨年末に連続した記事として「独自考察シリーズ ADVゲームと漫画とアニメと小説」というのを書いてテキストデータで保存してあったりします。40kBほどの短い記事ですが、「乙女はお姉さまに恋してる」シリーズでシナリオライターが直接書いた小説とゲーム本体を読み比べながら思ったことを書いたものだったりします。こう考えるとどこかで公開してもいいのかな・・・と思ったりしています。ちなみに先に書いておくとゲーム本体もおもしろいですがゲーム本体をやった人なら小説版を読んでみるとなおおもしろいと思います。コメントあたりに「読んでみたい」と書いてくださればこのblogで発表してみたいと思います。

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ADVゲームで「やってみたい」と思うゲームを考える」への1件のフィードバック

  1. 匿名

    そんな餌に釣られクマーーーーー

    演出ってスクリプタが決めるんですね
    スクリプト打つ原稿の時点で決まってるのかと思ってました

    返信

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