大人のピタゴラスイッチ -デジむず- 感想

というわけで感想です。昨年は再放送版を夕方に見たので今回はちゃんと深夜帯まで起きて見ることにしました。

さすがにいろいろと疲れがたまっていたのか、その前までに半分眠りこけてしまい、見られるかどうか怪しかったのですが何とか持たせました。

さて、今年のバージョンはおもしろかったのでしょうか・・・?

 

基本は「デジタルとアナログ」と「一対一対応」の二編

普通のピタゴラスイッチ的なからくりを見たかった人から見るとおもしろくないでしょうが、科学としてみるとやはりおもしろかったと思います。もちろん原理を知っている人間なのでそれほど難しくはないのですが、様々な世代から見てそれぞれがどう見えるのかを説明するのには良い番組だったと思います。さすが教育番組ですね、というところでしょうか。

ただ、昨年の大人のピタゴラスイッチから見るとちょっと不満かな~と思います。30分という時間の制限の関係(昨年は30分x2の構成なのでいろいろとできた)で濃度が薄くなってしまうのが残念なのとすぐに自分でも解説できるような現象ばかりだったので・・・。

 

「デジタルとアナログ」で出てきた「デジタルで見た人間が滑っているように歩いている」現象について

よくわからない人のために一応解説しておきましょう。話の中でも出てきたと思いますが、「デジタル」は離散的な量を扱い、「アナログ」は連続的な量を扱います。アナログからデジタルに変換するには「ある単位を基準としてはかることで量を数値化する」という作業が必要になります。この作業を「サンプリング」といいます。Wikipediaにも書いてありますのでそちらを見るといいかもしれません。たとえばCDの規格で「44100Hz」と書いてあるのは、1/44100秒ごとにマイクに感じている音の強さ(音圧)を測定してその数値を記録している、という意味です。テレビの切り替え速度なんかで使用される「60fps」も1/60秒ごとにカメラが移っている画像を記録している、という意味になります。

この「サンプリング」というアナログとデジタルを切り替える作業において基礎的な定理となるのが「標本化定理(サンプリング定理)」と呼ばれるものです。この定理の意味は「どのくらいの速さで測定を行えば元のアナログの状態を再現できるか?」というものを示しています。詳しくは説明しませんが、たとえばCDの「44100Hz」の場合、その半分の「22050Hz」までの音であればアナログの状態を忠実に再現できます。それ以上の音の成分があるとその音の成分は違った形でアナログの状態に表れてしまいます。

で、この「標本化定理」を逆に利用したのが今回の「デジタルで見たときに人間が滑っているように歩いている」を作り出しています。だいたい人間が歩くとき、1秒間で約二歩(右足=>左足=>右足)動かします。ところが、1秒間を離散的に見るとこの真ん中にあるべきはずの「左足」の動きは無かったことになります。つまり右足=>左足=>右足となり、右足が少し動いたようにしか見えない、という現象が現れます。基準から1秒後に0.1歩動いても2.1歩動いても4.1歩動いてもサンプリングした状態から見ると2.0で割った余りしか動いたように見えない、ということですね。その代わり、周りの景色はきっかりその歩数分だけ動いているので、その状態を脳がつなぎ合わせて処理すると「人間が滑っているように歩いている」と感じるわけです。1秒ごとにサンプリングする、という状態が引き起こすおもしろい現象でした。

ちなみに似たような現象として「テレビで見ると車のタイヤ(+ホイール)が逆回転している、もしくはとても遅く回転している」と感じることもありますが、これも同じ現象です。テレビの表示速度とタイヤの回転速度が整数倍±少しの状態になるとそのように見えます。直接見た場合はある程度人間がアナログ的に処理を行うのでそのようには見えません。(1/60秒ごとに0.9回転=1.0回転-0.1回転=0.1回転だけ逆に動いている、という感じ)

 

一対一対応はちょっとおもしろくなかったな~

テクニックとしてはおもしろいとは思いましたよ。折り紙の状態を映し出したり、山の高さを変えることで文字を映し出したり、と。歌が個人的にもいろいろな意味でも微妙だったのでこの番組で放送されたことからとりあえず無視しています。まあ、デジタル的に「一対一対応」というのは必要になることがあるのでこういう話の中に組み込むのは悪くはないとは思いますよ。

ちなみに「穴が開いている部分だけ反応する」というギミックですが、これは一応デジタルととらえることができるでしょうかね。穴がない部分を「0」、あいている部分を「1」としたデジタルを認識する状態というとらえ方をします。番組内では銅板による導通(穴がない=導通しない、穴がある=銅板が触れるので導通する)を使ってギミックを再現していましたが、まあスイッチ的に反応できればよいのでそれ以外でもいろいろと再現の方法があるのがおもしろいところです。

 

こういう番組はもっとやってほしいかも

古典的な科学から現代的な科学までの一種の基礎のようなものだとおもいます。子供も大人も知っておくことは良いことだと思います。後はもう少しピタゴラ的な仕掛けがあったも良かったかも、と思います。一対一対応でやっていた穴の開いた紙と動く仕掛けの対応は子供の工作としてみるとまあおもしろかったのでそれはそれでよしとします。

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