アンサイクロペディアの数学証明で・・・

時々こういうページを見て楽しんでいます。こういうユーモアはとっても大好きです。はい。

で、題名の件ですが、何となくリンクをたどり続けたときに「円周率は3の証明」の部分でしばらく考え込んでしまった、というものです。

アンサイクロペディアで有名なイカサマ証明といえば「1=2」の証明で、これも考えればどこが間違っているかわかるものが多いです。

一見しただけだとどこが間違いだかわからないのがおもしろいところですね。高度になればなるほどどの部分の変形が間違っているか探すのが大変です。学生に試験で出したら楽しいかもしれません。

2013/09/02 追記

ちなみに、「1=2」系の証明の誤りについてはこちらでちょっとやってみています。

なお、間違いがそれなりにあると思いますが、まあ参考程度に。

円周率の証明ミスって・・・

問題の「円周率は3の証明」ですが、変形を簡単に書いてみましょう。ある数をxとしてpiを求めますが、

  1. x = ¥frac{¥pi + 3}{2}
  2. 2x = ¥pi + 3
  3. 2x(¥pi - 3) = (¥pi + 3)(¥pi - 3)
  4. 9 - 6x = ¥pi^2 - 2¥pi x
  5. 9 - 6x + x^2 = ¥pi^2 - 2¥pi x + x^2
  6. (3 - x)^2 = (¥pi - x)^2
  7. 3 - x = ¥pi - x
  8. ¥pi = 3

となります。詳しくはページリンクで見てみると楽しいです。これだけ見ると確かに証明されたように見えます。式変形的な(移項など)間違いはほとんどありません。

さて、これはどこが間違っているのかまじめに考えてみましょう。厳密には二カ所あります。

(6)=>(7)の変形

この変形は平方根をとって二乗を外すところですが、二乗してその数になるものは正負両方とも存在しますから正確な(7)は

3 - x = ¥pi - x, -(¥pi - x) … 7

正の符号側はそのままの式ですが、負の符号側を見て再度移項してみれば

-2x = -¥pi - 3 … 7′

ということで、式自体は(2)と何ら変わらないことがわかります。つまり、これだけだと単にpiとxには関連がありますよ~といっているだけの式になります。ま、当たり前ですね。

(2)=>(3)の変形

この部分の変形はこの証明の中のイカサマではあまり重要ではないですが、やってはいけない変形をやっています。

この変形は(2)の両辺に(pi – 3)を乗算しています。両辺への乗算自体はやってもいいのですが、pi = 3を証明しようとしているのにかけている数はもし証明が成功してpi = 3となってしまうと

¥pi - 3 = 3 - 3 = 0

というわけで、両辺に0を乗算していることになり、これは証明としてすでに使えない式になります。(両辺に0を乗算/除算してはならない)

数式のイカサマ証明のテクニック

というわけで、こういう証明に使われるテクニックがこんな感じです。

二乗数の平方根をとって戻すときに意図的に正負どちらかの数を無視する

特に正の方だけ残すのであればこの証明ミスに気がつかれにくいです。

変数に計算をして0になる数を乗算/除算してしまう

0を乗算した時点でどんな数式でも等式になる(0の乗算は0=0となり、元々の数がどんな数であったかが関係なくなる)ので、こういう証明にはもってこいです。

直接やるとおかしいことは丸わかりなので、変数を使ってその数を隠してしまうのがいいです。

数の領域の変換をうまく使う

有理数と無理数の変換や複素数と実数の変換など、それぞれの領域で計算すると挙動が異なるものをさももう一方の領域の計算の如く装うものです。

どちらにしろ、ユーモアの証明なので楽しむ程度に

クイズのようなものですので(中学生とか高校生の数学のテストにはおもしろいかも)。

と、何とも意味のない記事になってしまいました・・・。

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