前回は構想編ということで、どんなパーツをそろえればよいか?を考えてみました。で、組み立てるために実際に買いそろえてみました。
CPU、マザーボード、メモリ
CPUはやっぱりこれ。
INTEL CPU BX8070110100 Core i3-10100 LGA 1200 6MB 3.60GHz 【BOX】 日本正規流通品
2020年7月現在で最新のCore i3の一番スペックが低いものになります。これでも数世代前のCore i7並の性能というのがびっくりなくらいですね。どうせRAIDよりSATAのインタフェースカード側で性能が頭打ちになるのでそれほど気にする必要はないですが、ZFSのRAIDZ系統やmdadmでのRAID6などSoftwareRAIDはCPUを使って演算を行うため、ある程度の速度がないとRAIDのパリティ計算でもたつくことになり転送速度を落としてしまう可能性が大きいです。時間があればチェックをしてみたいとは思いますが…。
メモリは適当なブランドで16GB(8GBx2)にしました。NAS用途ですが、それ以外で使うことがあまりないため、メモリスペックを要求することが少ないような気がします。しかも使っているHDDはNAS用ではないため、常時起動はしたくないですし。
マザーボードはこれになりました。
ASRock Intel 第10世代CPU(LGA1200)対応 B460チップセット搭載 Micro ATXマザーボード 【国内正規代理店品】 B460M Pro4
結局は金額の差ですね。H470は金額が高いので安くあげることが重要で、サーバ用途なのでB460系列が使いやすい、という判断でこうなりました。実はこれを使おうとしたときにあるとんでもない苦労を強いられる羽目になったのですが…。それは初期設定編にて書くことにします。
ストレージ部分は結局こうなった
特にメイン部分が大分変わりました。結局NAS用のものではなくて…
Western Digital HDD 4TB WD Blue PC 3.5インチ 内蔵HDD WD40EZRZ-RT2 【国内正規代理店品】
WesternDigital製のデスクトップ用を2つ使うことにしました。NAS用にしなかったのは前の記事にも書いたとおり値段差がひどすぎたからとRAIDで保護するのでこれでも信頼性はある程度保たれるだろう、という判断です。問題はなぜWesternDigitalのWD Blueを選んだか?という問題。これにはちゃんと理由があります。
理由はHDDの磁気記録方式の問題。このモデル(特にEZRZ系統)はCMRという方式なのですが、SeagateのBarraCuda系統はSMRという方式で記録容量を稼いでいます。SMRは記録容量を稼ぐには良い方式なのですが、OSの起動など細かいファイルを大量に読み書きする場合に速度が大幅に低下する傾向があります。一応キャッシュメモリなどで防いではいるのですが…。そのため、できればOSの領域はCMRのHDDを使いたい、ということで「4TBかつCMR」という条件に該当したのがこれになります。なお、NAS用だからCMRというわけでもなく、しかもWD Blueは型番によりCMRとSMRが混在している(EZAZはSMR方式)上にWD RedでもSMRが入っているので選択はかなり気を付けないといけません。
一応再度貼り付けておくと、NASストレージ部分とインタフェースはこれ。
Seagate BarraCuda 3.5″ 8TB 内蔵ハードディスク HDD 2年保証 6Gb/s 256MB 5400rpm 正規代理店品 ST8000DM004
玄人志向 キワモノシリーズ SATA3 10ポート増設インターフェースボード SATA3I10-PCIE
ちなみにBarraCuda系統なのでSMR形式ですが、今回のNASは容量を稼ぐのが目的で、「ファイルサイズが大きい(数百MBレベル以上)上に書き込みをほとんどしない」というのが条件なのでこれでよかったりします。以前のNASサーバもSMR形式のHDDですので私の用途としては問題なし。
電源とケースは?
玄人志向 電源 KRPW-BKシリーズ 80PLUS Bronze 650W ATX電源 KRPW-BK650W/85+
650W電源を選んでいますが、これより多少下がっても問題はないと思います。問題なのはSATA電源の本数。これが少ないと分岐ケーブルが大量に必要になってきますし、電源コネクタの間隔によってはうまく配線できないことがあると思います。
Fractal Design Define R5 Black Pearl PCケース CS4987 FD-CA-DEF-R5-BK
Note804が初期の予定だったのですが、いろいろと考えた結果こうなりました。NAS用のHDDはすべて3.5inchベイに格納して、OS用のHDDはマウンタを使い5inchベイの部分に配置することでカバーします。
合計金額は…
なんとか税込みで20万円を下回りました。NAS用のHDDを一つも使わなかったことが大きいです。あとは特価品をタイミングよく手に入れることができたので、その部分でうまく節約できたようです。ちなみにSATAのケーブルや電源の分岐ケーブルも含まれての値段ですので、実際にこの構成で組み立てたい人がいる場合はちゃんと分岐ケーブルやSATAのケーブルを必要な本数(SATAケーブルは8本、電源分岐ケーブルは三叉x2+二叉x1が目安)を買っておく必要がありますので気をつけましょう。
次回は組み立て編
といってもYoutubeなどを探せば組み立て動画くらいはあると思いますので今回はこのケース&HDDがいっぱいあるパターンの取り回しを少し見せるだけになると思います。