骨伝導ヘッドフォン「Filltune」試聴感想

というわけで、6月頃に申し込んだ試聴が今になってやっと到着するという自分にとってはまさに「忘れた頃にやってくる」というやつなのですが、

いろいろな環境で試聴してみましたので、骨伝導ヘッドフォンなどに興味がある人は一読してみるといいかもしれません。

前提条件

まず、私の感想条件としては「健常な聴力を持つ人間」というものである、といっておきます。

この条件を設定しないと以降の感想の意味が大きく変わる(特に聴力が弱くなっているとか、中耳炎などの影響で聴覚がよくないとか)ので。

感想の中には「聴力が弱くなっている」というものもいくつか混じっていますのでそれを踏まえた上で。

通常使用について

まず、初めに届いた後で使ったときの感想は「高音域が聞こえすぎる、低音域がほぼ聞こえない」というものでした。

これについては後で意味をいくつか説明します。簡単に言うと、イコライザで高音ブースト+低音カットをかけた状態(WinAMPで言うならFull Trebleをかけたような音)で聞こえた、ということです。

自分のスピーカーで聴いている状態に近づけるには以下のどちらかが必要になります。

  • 耳を耳栓などでふさぐ
  • イコライザで低音ブースト+高音カットを行う(WinAMPではFull Baseが近い状態)

もちろん、耳をふさぐのは普通の人がFilltuneを使う目的の一つである「耳をふさがない」という目的にはそぐわないと思いますし、

Filltuneのヘッドフォンアンプにイコライザなんてあるわけがないですから再生機器側である程度調整が必要です。ちなみに、Full Base時は高音域はだいぶ近くなりましたが、低音域はまだ不足している感じでした。

外に出ての使用について

骨伝導ヘッドフォンの特性である「耳をふさぐ必要がない」が大きく役に立ちました。特に人の話し声をちゃんと聞くことができるのが感動です。

あまりよくはないですが、車の運転中につけても環境音を遮断しないので、カーステレオを使わないで音楽を聴くことができます。

ヘッドフォンをかけているはずなのに耳をふさいでいないという不思議な状態で歩き回っていたので、どう思われたか気になるところではあります。

ちょっと装備が重くなる(音楽の再生機材+Filltuneのヘッドフォンアンプ+ヘッドフォン)のが弱点なのと、やはり低音部が弱いので、低音が重要な音楽だと味気なくなるのも弱点ですか。

音漏れについて

よく「骨伝導ヘッドフォンは通常のイヤフォンに比べて音漏れが少ない・外したときに音がしないのが感動」とか言われていますが・・・。

たしかに、ヘッドフォンを外したときにヘッドフォンから音がほぼしないのは確かですが、実は耳の骨に当てる部分のパッドを押さえつけ(ヘッドフォンを装着した状態)て、

骨伝導ヘッドフォンとイヤフォン(耳かけ式)を自分が感じる同じレベルになるように音を出力させると、イヤフォン並みに音が聞こえてしまいます。

簡単な測定(自分の耳につけて、マイクで漏れた音の大きさを測る)をした限りでは「ほとんど変わらない」という感じでした。

正確な実験ではないのと、音漏れの成分がどの周波数成分が強いのかによってこの結果はかなり変わって来ますので注意です。

高音が聞こえすぎる・低音が聞こえなくなる理由の推測

「耳を耳栓などでふさぐ」と低音が回復するということは、「骨伝導としては低音は伝達されているが、鼓膜からの音入力にその低音がマスキングされている」と言うことです。

つまり、鼓膜から入ってくる音が聞こえにくくなっているが、聴覚自身は正常である、というときには恐ろしく有効な機材と言うことがいえると思います。

高音が聞こえすぎるのは上記と逆で「高音域では鼓膜側の空気伝達では減衰があるが、骨伝導の減衰がほぼないため、骨伝導の感度が高くなりすぎる」と言うことだと思います。

鼓膜からの音を普通に認識できる健常な聴力があるときはちょっとやっかいな特性ですね。

ちなみに、この効果についてですが、いくつかの周波数で聴いてみて以下のような感じでした。(注:私の感覚によるものです。周波数はPCから正弦波を出して調べました)

150Hz以下:骨伝導側の低音はほぼ聞こえなくなる

150Hz~1kHz:鼓膜側の音伝達が優勢(周波数が上がると互角になっていく)

8kHz以上:骨伝導側の音伝達が優勢

人間の声の領域については外からの音がやや優勢というところです。

この特性は確かにかなりの騒音の中で人の音を聞く、という用途では有効であることはいえます。

健常者が音楽用のヘッドフォンとして使うという用途はだとどうでしょうか・・・。

スピーカーや通常イヤフォンと同じように聞こえるように低音ブーストをしすぎてはだめ

低音が聞こえない理由は「低音が環境音にマスキングされている」だけなので、実際にはちゃんと骨に伝達されています。

そのため、マスキングされないレベルまで引き上げようとすると、低音のエネルギーが大きすぎる状態となり、聴覚を損傷してしまう状態になりかねないと思います。

Filltuneの場合、そのレベルまで出力ができないのでその意味では安全性は十分だと思います。

試しにADVゲームをこのヘッドフォンをしながらやってみた

BGMと音声の混合、ということでこの例でしたが、BGMはあまり高音域を含んでいないものが多いので、BGMがあまり聞こえない、という状態でした。

わかりやすく言うと「ADVゲーム内の世界の音を携帯電話の受話口から聞いている」と言えばいいでしょうか。高音域が強いBGMならそうでもないのですが。

なお、このヘッドフォンをそれなりの時間つけていましたが、耳への圧迫感はほぼないので、長時間つける分にはあまり問題ないのでは?と思います。

というわけで、自分なりの感想

私の場合は、一応健常人並の聴力はあります(耳鼻科で測定した)が、聴力がよくないときもあったり(3年ほど前に突発性難聴で医者にかかった)、滲出性中耳炎だったり(最近医者に行って判明)と、耳の状態があまりよくないので、

ヘッドフォンなどで耳をふさぐと、耳の状態が悪化する可能性が大なのでこういう機材は使いたいな~とは思います。あと、「骨伝導ヘッドフォン」はおもしろそうだから、というのも含まれます。

こういうように「耳をふさがないで音楽を聴きたい」「骨伝導がおもしろそう」の理由があるなら買ってもいいとは思います。

その場合でも、音の感じは書いたとおり、「高音ブースト・低音カット」状態なので、それでも許容できるなら、という条件付きです。

でも、こういう技術というのもすごいものだと思います。正直、耳をふさがなくても音が聞こえるというのは感動できる事象だと思います。

ちなみに、プログラムの開発をしているときに耳をふさぐようにヘッドフォンをしているときはだいたい「話しかけるな、集中している」という意思表示でもあるのですが、

これを使うとどうやっても話し声を聞いてしまうことになるので、その辺が微妙ですよね~。


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