使わなくなったXperia acroですが、ちょっと整備することでメディアプレーヤーとしてくらいなら十分に使えるスペックを持っていることからプリインストールされている様々なアプリを強制的に削除してぎりぎりまで軽量化した後メディアプレーヤーとするために必須となるアプリを導入してみよう、というのが今回の趣旨です。元々2011年に発売された端末なんでその後1年くらいで必要な情報およびファイルが出きってしまった感があり、今となっては処理をするために必要なファイルがなかったりファイルを保管していたサービスが終了していたりとなかなか大変な状態にあるようです。作業の手順に関しては結構な量が出回っていますので月日の経過によって生まれたことを中心に書いていきます。
Xperia acroは海外のデータを使うことでAndroid4.0以上にすることができるが今回は見送り
Android4.0を導入することで元の状態より軽量になる、ということは書かれていたのですが海外のデータであるため日本特有のサービスが使えなくなってしまうのが問題点です。この場合、最も重要なことはワンセグが使えなくなる点。SIMなしでもワンセグを見ることができるのでメディアプレーヤーとしてはワンセグの機能は残したい、というのが希望としてありましてAndroid4.0以上に変更するのは今回は取りやめにしました。というわけで、オフィシャルで公開されている最高バージョンであるAndroid2.3.4を対象にroot化を行うことにしました。
以下の話で出てくる作業についてはもし行う場合は自己責任でお願いします。そもそもroot化自体が保証対象外の話ですので手順を踏んでいる時点でキャリアなどに質問などをしてはならなくなります。またいろいろなサイトを回ってきましたがファイルの配布サイトの中にはワンクリック詐欺に近い広告を出しているサイトもあり人によってはウィルスに感染してしまうことやそれ自身がウィルスである偽装ウィルス対策ソフトをインストールさせようとしているサイトに引っかかってしまうこともあると思いますので。
作業を行うためのファイルはどこに?
今回難航したのがこれ。まずXperia acroに接続するためのオフィシャルのツールであるPC Companionはすでに新規のインストールができない状態であり、後継としてXperia Companionが公開されていますがこちらではXperia acroを認識できない様子でした。このため、バックアップ等は基本的にとることができない状態であり、端末のドライバも微妙な状態となっていましたのでデータを送り込む場合はAndroid SDKから各種ファイルおよびドライバをインストールしてadbを使うかXperia用に作られたflashtoolによりドライバのインストールとデータの上書きをする、という必要があります。
次に面倒なのはroot化を行うためのファイルを持っているサイトがかなり少ないと言うこと。一部では公開していたファイルを配布しているファイルサーバーのサイトが閉じられてしまいファイルをダウンロードすることができなくなっていたり、PC Companionによる接続が必須であり使うことができなくなっていたツールがあったり、root化できる端末のファイルバージョンが特殊のため必要に応じてダウングレードするしかないのだがそのデータがどこにあるのかわからなくなっていたり、と…。公開されてから時間がたっているとこの辺りにだいぶ苦労することになるわけですね。今回はなんとかAndroid2.3.4になっている状態からAndroidSDKのツールであるadbを使ってroot化できるツールを探し当てることができまして作業ができました。さすがにサイトにリンクを張ったりはしませんので自力で探してみてください。一応今後何があるかわからないので自分のバックアップとしては作業データは保存してます。
ファイルマネージャが標準で存在していない…
これも苦しいことですね。今回root化するに辺り、
- 端末にはユーザー情報を一切残さない(電話帳、Googleアカウント等)
- 端末にはできるだけ外部接続が可能となる情報を残さない(つまりSIMを一度も使わない+WiFiによる接続も行わない)
- ファイルのやりとりは仮想マシンからUSBで接続してデータ転送を行うだけにとどめる
- アプリのインストールにはGoogle Playを使わずapkを直接SDカードに書き込んでインストールする
というのを目標にしていました。それはできる限りスタンドアロンで動作し外部に情報を漏らさないためで、Androidのバージョンが低いため下手に外部に接続して乗っ取られることになると問題なのではじめからそれがないように気をつけて操作しようと考えたためです。
しかしながらAndroid2.3系には標準でファイルマネージャがない様子で、Xperia acroでもファイルマネージャが入っていないためパッケージをSDカード内においたとしてもapkをインストールする方法が標準で存在しない、という悲劇が…。どうにかするためにはブラウザ経由でパッケージを開いてインストールさせるしか方法がなく、ブラウザ経由でSDカード内にあるファイルを参照する方法がどうもない(file:///を使えばアクセスできるか?と思ったのですが無理でした)ようなので、このためだけに一時的にWiFiで接続してローカルサーバーからファイルマネージャをインストールする、という方法をとりました。このため、WiFiで接続した、という情報が残ってしまったのが非常に残念です。まあ、ファイルマネージャさえ入ってしまえばSDカードにあるapkをインストールすることは簡単にできますからね。
root uninstallerで不要なアプリがガンガン消せる
そして重要なのがroot権限によりアプリを削除できるツールです。検索したときにはいくつかあげられていましたが今回はroot uninstallerを使いました。これのおかげでプリインストールされている不要なアプリを消していくと内部メモリにだいぶ余裕を作ることができました。ただし、システムコアに近いアプリを消去すると端末が起動しなくなったりすることもあり得るので削除するアプリには注意が必要です。
この作業のおかげでアプリのデータを格納するROMもそうですが、そもそも起動するアプリが少なくなっているのでRAMにも余裕ができましたし、WiFiといった外部にアクセスする手段を使わない、と決めてしまえばセキュリティソフトのインストールもしなくていいのでその分端末の動作がだいぶ軽くなりました。電源を入れてから待機状態となるまでの時間も体感ですが下手をすると1/2くらいになった気がしています。
必要なアプリを入れれば(昔は値段が高かった)高性能メディアプレーヤーの完成…?
どうせroot権限があるのでボタン操作についてもロックを解除せずに曲の変更ができるツールを使ってみる、とかいろいろと考えられると思います。そう考えると液晶付きで曲もSDカードに入れれば大量に持ち運べる、さらにはワンセグやブックリーダーにもなるとなるとなかなかすごいような気がするのですが…。いかんせんメインスマホを変えた直後だけにどうにも意味がないような気がしてなりません。しかもXperia acroの場合、メディアデータは本体に保存できないですのでSDカードが必須ですし…。
結局状態を設定したのはよかったのですがそのままお蔵入りとなる予定です。古すぎて中古屋に売れるような端末でもないですからね。まあ、SIMフリーの端末を乗り継いでいるため私が所有するワンセグの機能があるスマホはこれ一つしかないのでそういう場面に限り登場するのでは?というところでしょうか。