第704回~第706回全国自治宝くじはどれが最もよいか?を数学で考える

いよいよ年末がやって参りました。一年というのは長い人もいれば短い人もいると思います。しかも年を重ねるごとにどうも短くなっているような気がしてならないきょうこのごろです。一応「今年度末」にはとあることでプロフィールが必ず書き換わる予定なので。

それは置いておいて。今回はちょっと曖昧な題名で考えてみます。数学の確率ネタというところです。ただ、確率の要素はかなり低く中学生でも考えることができる話なので興味がある数学の先生は数学の題材に、その他学校で何か考えるときの題材にでもしてみてください。

 

しかし、年末ジャンボが3種類も発売されるとは…

2種類ある、というのはこの頃だと普通にあったのであまり気にしていなかったのですが3種類というのはなかなか面白いです。しかもネーミングがまた面白い。「ミニ」を使ってしまったものだから最も一等賞金が少ないジャンボ宝くじに「プチ」を名付けるというのがまた、です。

ちなみに当たり前の話ですが買わないという選択肢を選ばなかったとしたときに最大級の夢を追いかけるのであれば何も考えずに1等賞金が最大の第704回のジャンボを選択すると思いますし高齢の方で1000万円でも当たればいいな~と考えている人なら第706回のジャンボプチを選択するはたぶん正しいと思います。そうすると問題は第705回のジャンボミニがどういう立ち位置になるのか、は大いに気になるところですが…。

 

では、問題です。

今回はこんな感じ。

2016年の年末ジャンボ宝くじでは3種類の宝くじが発売される。第704回の年末ジャンボ宝くじ、第705回の年末ジャンボ宝くじミニ、第706回の年末ジャンボ宝くじプチ、である。この宝くじをもし購入するのであれば最もよいのはどれか?どの宝くじの期待値が最も高いかを考えることにより答えなさい。ただし、計算においては公式に発表されているくじが最大限売れた場合のユニット数および当たり本数を用いるものとする。

公式でも発売総額とユニット数、当たり本数はそれぞれの宝くじで異なるのでこれを合わせないと計算ができないのが微妙なトリックです。一応すべて一枚300円なので発売額がすべて同一だった場合で考えるかそのまま考えるかは自由です。

 

一応総額表記のまま計算してみると…

ちょっと面倒なので表記には指数表記を用いています。今回は電卓の手計算を行いましたので間違えないようにENGを用いて接頭辞であるM(106)やG(109)という表現を用いています。普通あり得ない表記をしていますが、換算式を書いておくと1M円は100万円、1G円は10億円となります。この辺104を区切りとしている金額と103を区切りとしているカンマ区切りの本数で混同するのが面倒なところです。

まずは第704回の年末ジャンボ宝くじから。発売総額はユニット数を25として1,500億円=150G円。1ユニットは2,000万枚と表記されています。以下その場合で期待値を求めるため各等における総支払額を計算をしていきます。

等級 一本当たりの金額 本数 総支払額
1等 7億円=700M円 25本 700M×25=17.5G円
1等前後賞 1億5,000万円=150M円 50本 150M×50=7.5G円
1等組違い賞 50万円=0.5M円 4,975本 0.5M×4975=2.4875G円
2等 1,500万円=15M円 500本 15M×500=7.5G円
3等 100万円=1M円 5,000本=5k本 1M×5k=5G円
4等 1万円=10k円 500,000本=500k本 10k×500k=5G円
5等 3,000円=3k円 5,000,000本=5M本 3k×5M=15G円
6等 300円 50,000,000円=50M本 300×50M=15G円
合計 67.4875G円

となります。ENG表記で書くことで乗算の桁を間違えないように書くことがある程度可能となります。よって一枚のくじによって得られる金額の期待値は

67.4875G÷150G×300=134.975(円)

というように計算できます。残りも計算していきます。第705回の年末ジャンボ宝くじミニだと、発売総数はユニット数を15として45G円、1ユニットは10M枚で

 

等級 一本当たりの金額 本数 総支払額
1等 100M円 105本 100M×105=10.5G円
2等 1M円 3k本 1M×3k=3G円
3等 3k円 1.5M本 3k×1.5M=4.5G円
4等 300円 15M本 300×15M=4.5G円
合計 22.5G円

よって一枚のくじによって得られる金額の期待値は

22.5G÷45G×300=150(円)

第706回の年末ジャンボ宝くじプチだと、発売総数はユニット数を10として30G円、1ユニットは10M枚で

等級 一本当たりの金額 本数 総支払額
1等 10M円 1k本 10M×1k=10G円
2等 10k円 200k本 10k×200k=2G円
3等 300円 10M本 300×10M=3G円
合計 15G円

よって一枚のくじによって得られる金額の期待値は

15G÷30G×300=150(円)

となる。以上より2016年の年末ジャンボにおいてはミニとプチの期待値は変わらず一等賞金が最も大きい年末ジャンボ宝くじの期待値だけ微妙に低いため、期待値だけを考えるのであればミニおよびプチでよい。一等賞金を大きくするのであればミニを考えてもよい、という結論となる。

でしょうか。ちなみにこれで見てわかるように宝くじの還元率は50%位に設定されているらしく競馬の還元率では75%~80%になることを考えると少し分の悪いギャンブルといえると思います。まあこのあたりはギャンブルでも何を求めるかによって異なるのでその人自身が(数学とかにかかわらず)考えるとよいと思います。

 

夢をおいかけるぞ~

これが実は今年の目標だったりします。3年計画の最後の年でやっと(別の)夢も見えてきているところでもあるので。またくじによる夢の追いかけは意外と精神的に支えになっているパターンもあるのかも、と思うと面白いですよね。数学で考えると夢のない話になってしまうのが悲しいですが。

 

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