題名が矛盾しているようですが、実はこれ、数学である程度求めることができるのが笑えるんですよね・・・。中学校あたりの授業で誰かやってくれないかな・・・とか思っています。誰か指導案でも作ってその授業が録画されているのであれば是非見させてください。まあ、確率と期待値の話で宝くじを使ったものを学習指導案で書く方がまだ現実的かな~とは思いますが。
このネタは今年(2016年)が申年だからこそできる
実はこれがキーワード。干支を聞いたときに「サル年」とは答えられるのですが、この「申」という漢字が出てこないのが痛いところ。これを絡ませることができれば大変面白い話ができそうなのに・・・というのがはじめです。一応この話は60進法の話として使ってその後にn進法(2進法や12進法が身近にある)でつないでいけばおそらくきれいに授業が構築できるのでは、と考えています。
初期の話題設定
おそらく社会の時間で年号まで含めてやっているような気はしますがそれでも改めて聞かれると答えづらいと思います。最初のお題はこんな感じ。
壬申の乱は何年に起こったでしょうか。次の4のうちから答えなさい。
- 657年
- 673年
- 679年
- 682年
・・・わかる人はわかると思いますが、実はこの中には回答はありません。正しい回答は「672年」です。中学生の授業で出せば誰かこれを指摘するのではないかと思います。で、ここから「なぜこの中に回答がないといえるのかを数学で考えてみよう」と持って行くわけですね。
「壬申の乱」が起こったときの干支も「申年」だ、が分かれば答えが出せる
はじめの段階ではこの「壬申」が十干十二支で表された年号という話はわからないだろう、ということで流れとして、
- Q. 今年は何年? A.2016年
- Q. 今年の干支は? A.さる
- Q. 干支での「さる」は漢字でどう書く? A.「申」
- Q. 「壬申」と「申年」につながりがありそうでは? A.ありそう
- Q.もしかして「壬申」は申年の出来事では? A.そうか!
という感じで壬申の乱が申年だ、ということを考えさせて、そうするともし申年ならば干支は12年周期(ここに12進法に近い考え方が表れる)だから、2016-(壬申の乱が起こった年)は12の倍数になる、しかしはじめの問題の選択肢だとすべて当てはまらない(そもそも選択肢1~3は奇数なのであり得ない、選択肢4は2016-682=1334となり3の倍数ではないため12の倍数ではない)、よって数学的に選択肢の中に答えがない、という結論が得られるわけですね。
後は十干十二支の話から「壬申の乱が何年だったかを考える」へともっていく
ちなみに2016年は「丙申」なので、24年前の1992年が一つ前の「壬申」になります。あとは60進法の考え方から壬申の乱は1992年から60の倍数だけ戻した年にあるので選択肢から見てだいたい650~680年だとするなら、その中にある「壬申」は?となって672年を出す、ということができます。まあ、基準となる年をいくつか知っていればこの手の問題はやりやすいですね。十干十二支で考えたときに西暦だと60の倍数になるのは「庚申」だ、とかですか。(ここを知っているだけで壬申の乱の年は西暦では12の倍数になることが確定してしまう)ちなみに、日本史や中国史の中でこの手の年号で表される事件というのはすべてこのやり方で求めることが可能です。60年周期なので60年単位でしか間違えませんし。それで間違えたらもうどうしようありません・・・。また、十二支は記憶しやすいですが十干が記憶しづらいのがなんともいえませんが。最後に還暦の言葉の由来が干支で年号を考えたときに一周することから来ている、というところまで来れば国語との関連もばっちり、というところですか。
実は12進法でも楽しめる
12進法は学校の身近にあるものでできるのが楽ですよね。上記での干支が有力な例ですし、時計を使うのも手ですし、音楽の音階を使うのも手です。普通にダースで数えるやり方を使ってもいいですからね。私は音楽の音階を使ったものが面白そうと考えているのですが、実際にどうなるか想定してみないとよく分からないところですか。というところで、今回の数学ネタでした。どちらかというと教材に近いかもしれないですね。