0の0乗に関する説明をもう少し簡単にしてみる

今回は数学ネタで。0の0乗の話が出ていたので少し書いてみます。数学が苦手な人でも分かるように書けていればいいな~と。書いているとwikipediaの記事っぽくなってしまったのが何ともいえないところ。

 

指数法則の拡張について

まず0乗ができるようにならないとどうしようもないのでここをやってみます。

はじめに数を正の整数に限定して指数の法則を見てみます。まず数を素因数分解の形で書いてみます。数の素因数分解とは与えられた正の整数について素数の積の形で書くことで

のようになります。

 

次に、乗算をやるときに素因数分解の形で書いたらどうなるか、というのを見ます。上記の例ではですが、

のように指数の部分が加算となっているのが分かります。他の数でやってみるとどうなるか?というと同じようなことが起こるわけですね。つまり、正の整数において乗算を行うと言うことは乗算対象の数の素因数分解を行い、指数部分を足したものである、ということがいえます。

 

同じような事を除算でも考えます。例としてですが、

のように、それぞれ対応する素数の指数がちょうど減算の形になっているのが分かります。正の整数の乗除算を指数の形でするために素因数分解を持ち出したわけですが、別に素因数分解を持ち出さなくてもこのような話はできるわけで、これらをまとめて正の整数の指数法則として

というものが成立する、ということになります。

 

このときに、a,m,nは正の整数で、除算時にはm>nとしましたがその条件を外しても成り立つならどう考えるのか?というのが鍵となります。上記の式でm=nとするととなりますが、これを自然な形で定義するなら1となるのは分かると思います。負数方向への拡張はm=0とおいてとなります。最後にm,nが有理数(分数)や無理数となったときにも問題ないように拡張すれば良い、という感じで考えれば分かると思います。aについても有理数、無理数と拡張していって同様に考えればOKという感じですね。

 

で、0の0乗を考えてみる

普通に考えたら0の0としてあり得そうな答えは0か1のどちらかだろう、とは考えられると思います。

1だとでx=0を考えたらどうなるかを考える、というもの。0を除いた数での0乗は1だから、というものです。数式ではですね。

0だとでx=0を考えたらどうなるかを考える、というもの。0を(0を除いて)何乗しても0だから、というものです。数式ではですね。

つまり、考え方によって0の0乗は複数の答えが出てきてしまう、ということになります。こうなると値を一つに定めることができない、ということになってしまいます。これは困ったぞ、というところまでになります。

 

数学の中での扱い

上記を見れば分かるように関数を使って考えると複数の値をとれてしまうので値を一つに定めることができない、というのが結論になります。0と1以外の値を取ることができるのか?といわれればとれるのでありますが、これはこの記事を書こうと思ったページに任せまして。

ただ、数学である範囲を考える時に0の0乗を無理矢理考える必要がある場合があります。この場合、「考えている中においては都合の良い結果を用いて定義して議論を行おう」という考え方をする事があります。このときに都合の良い方として1を取ることがよくあることなどから結果を一つにしなければならない場合には1としよう、となるわけです。

 

ちなみにGoogleで計算すると1となりますが、私の手元にある関数電卓ではMathErrorで計算できませんでした。こちらの方が正しいといえるでしょうか。

 

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