2015年の大人のピタゴラスイッチ。説明はいらないか。

一昨年はソート関係の話をやっていて、しかも片方のソート法の説明が書けない状態だったことを反省して今回は解説まで書ける様に準備をしていたのですが・・・。おもしろかったですが拍子抜けしたのも事実でした。というわけで感想を。

 

今年のテーマは「数学」ですか~

数学ができる人間だと全く怖くないですし楽しめそうかな、と思いますが、数学が苦手と考えている人には考えたくない副題ですね。番組紹介でも番組の冒頭でも言っていますが「数学的な考え方」を使って問題を解決する、という話なのですが・・・。毛嫌いせずに見てみるといいと思います。

 

「数学の考え方」を使う、とは?

今回のお題はこれ。普通に社会でも使うので数学が苦手という人でも「どういう考え方をすれば問題が解きやすくなるか?」と言うことを説明することに主眼が置かれていたと思います。今回出されていた問題は主に

  1. 問題を変換したり単純化する
  2. 状態の規則性を見つけて規則から問題の答えを導く
  3. 物事の関連性を見つけて関連から問題の答えを導く

・・・似たようなことを書いていますが、実際これだったので仕方が無いです。はい。私が思うに今回「大人のピタゴラスイッチ」という題名を冠されていますが、中学校の授業で行う「数学的活動」をそのままやってみた様な項目だらけだったと思います。たぶん最後にも書くと思いますが、年明けの中学校の数学の授業で各学年それぞれでこの番組を見せて感想を書かせても十分な授業になるのではないか?と思ってしまったくらいです。(実際、あるお題で中学1年の数学の教科書に定理を使ったおもしろ実験がありましたらからね)

しかも今回の番組は考え方を学ぶので解答まで完全に出してしまっているので前のしめじソートの時の様に説明に困ることがなかったのですよね・・・。なので詳しいことは書きません。番組を見てみたい人は再放送をみるなりオンデマンドで見るなりしてみてください。少し詳しく解説できそうな物だけ書いてみます。

 

マス目巡回問題

「StartからGoalまですべてのマスを通る様にして移動することはできるのか?」というやつです。これで出てくるのは「偶奇性」と呼ばれている物で今回の場合は「奇数歩では赤マス、偶数歩では白マスを通り、最終歩が偶数歩となるのに赤マスであるから不可能」というように、偶数と奇数の時で規則性が表れるためその規則性からできる・できないが判定できるという物です。今回の場合は単純に縦横一歩だけでしたが、これがチェス盤の上にナイトをおいて、というパターンでも同じような問題を作ることができ、これの解法も似た様な物になります。ちなみに今回は偶奇性で説明ができる物でしたが、これより複雑になるとグラフ理論を使うパターンが出てくるかも知れません。(一筆書き問題などがグラフ理論で簡単に解ける)

チョコ棒の重さ問題

「一皿だけ11g、それ以外は10gとなっているチョコが付いた棒がのっている皿が5皿あるとき、どうやれば一回重さを量るだけでどの皿の物が11gかを見つけられるか?」という問題でした。この手の問題は天秤を使って指定回数までに一つだけ重さの異なる物を見つける、といった問題と似ていますが、今回の解法では基数法の変形を使っています。それは

  • チョコ棒一本の重さの基準が10gであり、何本集めても1の位に影響を与えない
  • 増えているのは1gであるから、番号の数だけチョコ棒を集めると1の位に番号の分だけ加算される=1の位は11gの皿の番号になる

というものです。この考え方だと10皿までは1の位を見るだけで簡単に分かることになります。11皿以上になると1の位に同じだけの影響を持つ皿が二つ以上存在してしまうことになりますからね・・・。

ちなみにちょっとした問題です。

「基本のチョコ棒の重さを10gとして10枚の皿からそれぞれ適当な数だけ取って重さを量り、1の位を見るだけでどの皿が違う重さか判定できるのは重さが違う皿にあるチョコ棒一本あたりの重さが何gのときでしょうか?5g~14gの中ですべて答えなさい。またそのときに番号がそのまま出る様な本数は各皿からどのように取ったときでしょうか?」

中学生だと難しいでしょうけれども高校生ならある定理を知っていれば楽勝にできる問題です。興味がある人はがんばって解いてみましょう。なお、解答は整数のみ有効ですからね~。

 

中々おもしろかったかな

普通に考えるのもおもしろいですし、「こういう見方もあるのか」のように人に教えるのもおもしろい、という様にいろいろな楽しみ方ができた時間でした。でもやっぱり思うのはこれは「大人のピタゴラスイッチ」というよりは中学生あたりに見てほしいピタゴラスイッチの様な気がします。

 

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